結局、家まで送ってくれた。
「あの……久我くん」
久我くんを改めて"男"って見ると、胸がばくばくして意識どころじゃなくて
まるで自分じゃないみたい。
「清家さん……っ?」
久我くんの服をちょこっと掴んで、久我くんとの距離を少しだけ近づける。
「……す……ごく楽しかったよ!」
「うん? 俺も楽しかったよ」
「本当にありがとう! 気をつけてね!!」
あれ? 今なんて言いかけた……?
"好き"
……なんてもうあたし振られたのに。
好きって伝えるのにはタイミングが早いよ。
でも、これからも下手したら今みたいにこぼれ落ちるかもしれない。
伝えたいけど、断られるのは目に見えるからせめて距離が縮まったらにしないと。



