「いいよ、そんなの」
「それじゃ、申し訳なさすぎる!!」
あたしが嫌でしょうがない。
「清家さん、俺は男なんだから奢るの当然でしょ?」
「でも、元はあたしが待ち伏せしたから……」
「変なところで遠慮しない」
久我くんは"この話は終わり"というように手を叩いたので、これ以上は何も言えず
ごめんねとありがとうを伝えた。
「清家さん、こっちであってるよね?」
「え? あってるけど……」
え、待って、これって……送ってくれるの?
「ってちょっと! 久我くんはバイト終わりで疲れてるんだから!
ちゃんと真っ直ぐ家に帰ろう、ね?」
まだ明るいことも笑顔で告げても
「清家さんは女子なんだから。
ほんとに変なところで遠慮しないで」
「……うん」
さらっと女の子扱いするところが、男らしさを感じてドキドキしてしまう。
ずるいよ。
他の女の子にもそういうことしちゃうの?



