それからしばらくの間、あたしと久我くんでお互いの気になったことを聞いては聞いてを繰り返した。



「あっ、もうこんな時間!」



それはいつの間にか雑談にまで発展し、夢中になってしまった。



「ほんとだ……」



久我くんも同じことを考えてくれて、嬉しく思う。



もう時計の短針が6を回っていた。


おまけにジュースの氷が溶けきっていた。



もっと話したかったなぁ、と名残惜しく思いながらも伝票を店員に渡した。



「960円でございます」



オレンジジュースは確か450円だったはずだから……


会計して割り勘だと思ったあたしは、財布から小銭をいくらか取り出した、が



「これでお願いします」



あたしの動作より久我くんの方が速く樋口さんを出していて、払いたくても払えなかった。




久我くんがお釣りを貰って、外に出ると、まだ明るかった。



「久我くん! これジュース代!」



久我くんの手に無理やり合計450円の小銭を乗せる。