星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「佐伯、珍しいな。
お前がここまで振り覚えてないのなんて。」

その日の部活で先輩にこう言われてしまった。
その場にいた全員が私の方を見た。

「すいません。」

私は俯いて話した。
いつもはもっと覚えてるんだ。

――いや、違う。今も覚えてる。
覚えてるけどできないんだ。
踊れない、私は踊ることに頭を回せない。

私の頭の中は椿先輩のことで椿先輩のストレスが私のせいだってことで頭が一杯で、もう踊るどころじゃなかった。

その時は何とか乗りきったが休憩になると耐えられなくて私は休憩時間になるとホールを飛び出した。

カフェテリアを抜けてピロティに出る。
何があるとどうしてかここに来てしまう。
ほとんど人が来なくてゆっくりできる。

階段を一段ずつ降りてタイル張りの所に立つ。

その場所でただただ呆然と立っていた。