星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「内側からは2メートル半ぐらいなんで登れますよ。

でも、降りるのが…」

「おいでよ、心春。
絶対に受け止めるから。」

私がちょっと不安な声を出す。

「いいんですか?」

「うん、大丈夫。」

私は先輩がにこにこしながら言っている。

「じゃあ、ボストンバッグだけ先に降ろしちゃいますね。」

私はそういってボストンバッグを適当な場所に肩紐を使って降ろした。

「こいっ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

私はそう言って塀を蹴って飛び立った。

「おっ。」

私は聖也さんに抱き止められた。

「すいません、重いでしょう?」

「いや、無茶苦茶軽い。」

そう言って私を降ろした。
私は塀の近くのボストンバッグを持ってきた。

「手首、どうしたの?」

聖也さんは私の手首を心配そうに見る。

「話はあとです。今は逃げないと。」

「それもそうだけど。
ここから家まで走る気?
どんだけかかると思ってるの?

5分ぐらい行った所に車停めてる。
小さくてもうちも会社経営してるから。」

私はその言葉に少し笑って私たちは二人で走り出した。