星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

…ハズだった。

後ろから2番目の選抜曲の真っ最中。
1列目で足を高く蹴りあげて降ろしてすぐに1回転するところ、センター脇、私の右斜め前で踊っている椿先輩がバランスを崩して倒れた。

舞台にだんっ!と鈍い音がする。
みんなが驚いた顔をする。
けれど流石、選抜メンバー。
踊ることをやめなかった。

その後すぐに2列目が1列目の間を踊りながら前に出る振りがあるので私は立てずにいる椿先輩の手を握る。

そして勢いよくひっぱり、立たせそのまま1回転して手を離す。

私はギリギリ次の振りに間に合った。
椿先輩も続きを踊っている。

舞台袖からは安堵のため息、客席からは拍手が聞こえてくる。

私は心の中で大きなため息をつき、客席に向かって笑顔を作り、椿先輩にガンバレ、とエールを送る。