碧Side

心春がある日突然、いなくなった。

あの日、朝起きたらリビングに置き手紙が1枚置かれていた。


お父さん、櫻さん、碧兄、紅蘭、星蘭へ

突然、いなくなってごめんなさい。
けれど心配しないで。
しないといけないことが出来たから
少しの間、家を留守にします。

大丈夫、彼氏の家にお邪魔するから。
学校にも行くしちゃんと生活します。

やらなくてはいけないことが済んだら
必ず、家に戻ってきます。
探す必要もないから。

お願いだから誰にも言わないで。

絶対に絶対に帰ってくるから
その時まで気長に待っていて。

心春


俺は呆然自失だった。

心春がいなくなった。
そのことに驚きが隠せなかった。

そもそも彼氏がいたことも初耳だし家を出なくてはならないほどのやらなくてはいけないこと、そんな重いものを抱えていた心春が可哀想に思えた。

そして同時に気付いてやれなかった自分に責任を感じた。