「心春ちゃんの部屋はここ。」

通された部屋は家具が一通り揃っていた。
タンスやベッドはもちろん、テレビやソファまで揃えられている。

「朝ごはん食べてないだろ?
出来上がったら呼ぶからしばらくゆっくりしてなよ。」

桐島君はそう言って部屋を出ていった。

私はボストンバッグをタンスの前に置き、洋服をかけていった。

私はタンスの上にCDを全て並べ、何枚か持ってきた写真を飾った。

きっと、楽な生活が過ごせるだろう。
学校にだって行けるだろう。

けれど私は不自由なんだ。
桐島君によってこの大きな屋敷に閉じ込められているんだ。

そう、ここからは出られない私は

――籠の鳥。


籠の鳥でも隙を見て逃げることは出来る。

誰か1日でも1時間でも1分でも…
1秒でも早く…助けて。