星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「ね、心春。俺の顔見て翼って呼んでよ。」

顔をあげない私に何を思ったのか、私の顎に指をかけて自分の方を向けさせる。

「ね、呼んでよ。」

「翼…君。」

流石に呼び捨ては出来ずに名前を呼んだ。
私はすぐに顔を背け髪を掴み顔を隠す。

あ、そうだ。
私、桐島君に本当の髪を見せてないんだ。
どうしようか、言うか一生隠し通すか。

今までの私なら前者をとる。
バレた時が怖いから。

でも今の私は後者を取る。
バレても怖くない。

私はあなたのことを全てを信頼していない、その気持ち証明なんだ。

もし誰も私のメモに気づかずに助けに行けくれなくて本当に結婚することになっても心は桐島君のものではない。

そう自分に言い聞かせるものでもあるんだ。


「心春ちゃん、着いたよ。」

30分ほどすると車が停まり、声がかけられた。

私は車から降りたつ。
目の前には大きな屋敷がそびえ立つ。

「心春ちゃん、入るよ。」

私は自分のボストンバッグを持って桐島君についていく。