ぴたっ
頬に冷たい感覚が襲った。
私が上を見るとにっと笑った一馬がいた。
私は耳からイヤホンをとった。
「はい、俺のおごり。心春炭酸強いの好きだろ?」
「ありがと。」
私は手渡されたコーラの缶をぷしゅと開けて口をつける。
「何聞いてたの。」
「けほっ『形のないもの』」
私は強い炭酸にむせながら答えた。
「心春の好きな歌手でしょ。
なんだっけ。ふ、ふじ
「 藤嶋飛鳥。
ね、ユニット始まったの?」
一馬はスマホを取り出して何かを打ち始めた。
「俺が出たときアンダー曲が終わったからそろそろ始まったと思う。
けどお前後ろから2番目だろ。
もうちょい話そうぜ。」
一馬のこの優しさにはいつも救われる。



