「時間も時間だし帰らないとね。」

それからしばらくウィンドウショッピングを楽しんだ私たち。

時計は4時を指していた。
私たちは駅へと足を進めた。

「やべぇ、帰したくない。」

聖也さんは駅の改札の前でそう呟く。

「私も帰りたくない。」

私たちは足を止め、みつめあう。
その瞬間、聖也さんは私の手首を掴む。

私は人目のつかない所に連れてこられた。
すると聖也さんは私に抱きついてくる。

「ホント可愛いこと言わないでよ。」

「だって、本当なんだもん…」

私は少し頬を膨らませる。

「流石に初日からはまずいでしょ。
だからしばらくこうさせて。」

「うん、好きなだけこうしてて。」

そう言って聖也さんは私を抱き締める腕の力を強める。