星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「心春。」

俺はそこにいた心春に声をかけた。

「何ですか、聖也先輩?」

「お前今、手振ってだろ?」

俺は特に意味もなしに言ってみる。

「あ、ごめんなさい。」

「いや、責めてない。
最前列の人のボードみてやったんだろ?」

最前列に心春の名前が書かれたボードを掲げている高校生を見かけた。
そこには“手、振って!”って書かれていたのを俺も見ていた。

心春でなければ応えてはくれないだろう。
みんなそれほど余裕はない。

ただ振りをこなすことだけが精一杯なんだが、そんな要望まで応えられるのは心春だけだ。

ここまでくると90%アイドルだ。