星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

試験を最後まで終わらせると昼食を取って俺たちは着替えてから舞台脇に集まることになっている。

俺と椿は公演前はいつも先に行って、舞台をモップがけしていた。

いつも通り、集合より20分ほど早くに着き、舞台脇の掃除道具入れからモップを取りだし、舞台袖に繋がる数段の階段を登る。

俺はふと舞台の方から人の気配を感じる。

椿かと思えば、ステージの中心にイスがおかれていて、ソロ曲の衣装を着て踊る心春がいた。

心春は耳にイヤホンをして誰もいない客席に向けて踊っていた。
踊っているときは真顔だが時々、花が咲いたように笑顔が咲く。

天才と言っても過言ではない心春でも倒れるぐらいストレスを感じるソロ曲、20分も早く来て練習するソロ曲。

心春のソロ曲に掛ける気持ちは計り知れない。

決まったときには何で心春なんだと思う気持ちがなかったと言えば嘘になる。

けれど今は心春を心から応援している。

頑張れよ、心春。
絶対に成功させろ。