時間は過ぎて今は10月。

私と環と棗は特別室棟を歩いていた。
途中、ダンス部の部室の前を通る時、私たちは足を止める。

「そういや今日の昼までだね。」

そこには模造紙が貼られていて紙と鉛筆、それから箱が置かれている。

「昨日、選抜決めだったし。」

「今回も落ちてないといいけどな。
ちょっと不安だけど。」

棗の言葉に私は本音を溢す。

今回の試験はただの選抜決めだけじゃない。
それにはこの模造紙らも関係している。

冬公演ではいつもの発表に加えてソロ曲があるのだ。

ソロ曲はその名の通り、一人が踊る。
自分で曲を決め、振りを決める。
1から全てをその人一人で作り上げるのだ。

そしてその踊る人の決め方はというと昨日の選抜決めの点数に加えてこの投票による。

全校の生徒がここで踊ってほしい人に投票するのだ。

そしてここの模造紙に候補者の写真と名前が掲示されている。