極悪プリンスの恋愛事情



凛くんの執事姿見たさにファンの子たちが詰め寄っていたけど、彼は頑なに首を縦に振らない。

むしろみんなに聞こえるようにわざと舌打ちをしていた。


「言っとくけど、俺は文化祭参加しねーから」


え………。

凛くん、文化祭来ないの?


今の発言を聞く限り、そうらしい。


入り口付近に立っていた私の横を通り過ぎ、鞄を掴んで再び廊下へ出て行く凛くん。


あまりにもあっさりと離れていくから、一瞬何が起きたのかわからなくて。

気づいた頃には、曲がり角を曲がろうとしているところだった。