天国が見えた!


管理棟の建物だった。


「死ぬかと思った・・・・。」

管理棟の入口前に倒れるように座り込む。

「どうでした?いっぱい採れましたか?」

夕くんのお母さんが管理棟から出てきて言った。

「はい、いっぱい採って来ました。」

妹が手にしていた袋を戦利品のように高々と持ち上げ見せている。

「あれ?みのりちゃんのは?」

・・・気づかれた・・・。

「うん・・・これ・・・。」

「えーこれだけ?ちょっとマジで?」

「うん・・・だって・・・。」

「信じらんない、みのりちゃんってば。」

「だって虫いたんだもん!」

「虫、虫ってうるさい!」


「まあまあ、喧嘩しないで。」


夕くんに止められた。


「じゃあ、少し休んだらそれを夕食用に料理しましょう。」

夕くんのお母さんが笑ってそう言って、

「中で休んで下さい。」

冷たい麦茶を出してくれた。


「う~~~~ん!生き返る~~~!」


管理棟の中の畳の上。

大の字になって休憩。

「恥ずかしいよ、みのりちゃん。」

「分ってるってば。」

取り合えず足は閉じておく。


いつの間にかウトウトして・・・・。