「お願いだから、このクローゼットだけは開けないで!」と強く願った。 緊張で息が荒くなっていく。 それでも頑張っておさえた。 いやだ、いやだ、 誰か助けて。 5分ぐらい立っただろうか。 足音も声も無い。 私の願いが届いたのかもしれない。 音を立てないように、クローゼットの隙間から外を覗いてみた。 外は真っ黒で、何も見えない。 おかしいな、と思って目を擦ってもう1度見る。 なぜか、真っ黒のものが動いて、白いものが見えた。 「ゾワッ」と、鳥肌が立ち、思わず叫んだ。