その時のテンション次第で付き合うかどうかを決めていると言ったら、なっちと歴代彼女達に刺されるかもしれない。


「ねぇ、なっち」


「うん?」


ふわり、と髪が舞う。

なっちの猫っ毛はサラサラより、ふわふわという擬音が似合う。


「次の彼女は濡れ羽色の黒髪でスレンダー美女がいい」


彼女は片眉を上げて、心底意味がわからない。という顔をした。



「じゃあ探しなよ」


「うん、頑張るね」


鼻歌交じりに足元の小石を蹴飛ばすと小気味いい音を立てて遠くへ飛んでいった。


「意味分かんないよ」


「そ?分かりやすいと思うよ。可愛い彼女がほしいって願望」


もっと分かりやすく言うと、なっちと真逆の彼女がほしいってこと。

俺が居ないとだめで、守ってあげたくなるような子。

なっちみたいに一人で何でもこなせちゃう子は嫌だよ。

それに、なっちに似た系統でなっちに適うわけないじゃないか。