隣を歩くなっちの髪の毛が夕日に透けて赤く染まる。俺はその光景がとても好きだ。

顔に影を落とす長い睫毛も、光を反射してキラキラと輝く瞳も。なっちの瞳が光の当たり具合で色が変わると言うことを、きっと他のやつは知らない。隣を歩く俺だけの特権だった。

栗色の髪の毛が、金の糸のようにキラキラと風になびいて一枚の絵画みたいだと何度思ったことか。

可愛い、だなんて一度も言ったことないし気持ちが悪いから言うつもりもないけど、俺はなっち以上に可愛い子を知らない。

幼い頃からの積み重ねで目が肥えてしまった俺はとてつもないメンクイのレッテルを貼られた。


見た目だけは美少女と言っても差し支えないなっちを見慣れてしまうともうだめだった。


どの子もピンとこない。