「結局、好きでした、返事はいりませんって穏便に解決したよ。なっちのお陰だね」


あはは、と笑うとようやくなっちは俺のことを見て少しだけ笑った。


「クズ男め」


「なっち酷い」


「告白も聞いてやらないなんてクズの極み」


「だって、お顔があまりタイプじゃなかった」


「可愛かったじゃん……まぁ、あんたは顔面偏差値が高いからなぁ」


ぼんやりと呟くなっちはきっと、俺の顔が整いすぎていて、それを見慣れているから他が可愛く見えないと言いたいのだろう。

でも、違う。

俺の理想が高いのはなっちのせいなんだ。