そう夢の中でイライラとしていると、何故かグッと顔を近づけてくる蓮くん。
な、何……っ!?
夢の中ではなかなかハッキリと声を出せないもので、私が口に出した声は、音にならずに消えていく。
体が金縛りにあったように動かない。
動いているのは蓮くんだけ。
夢の中で蓮くんは、私の頭をそっと持ち上げて……
そのまま私にキスをした。
「……はっ、んんっ」
そんな蓮くんを振り払おうと目を開けるけれど、その夢はなかなか覚めない。
……いや、夢じゃない。
「……い、やっ……!」
「ったく、目を開けてキスとかムードねぇ奴」
「は、はぁっ!?ムードも何も無いから!人の寝込み襲うなんて……最低っ」
本当に最低だ。
最低男だ。
私にキスするの何回目!?
本当にこの家には、キス魔しかいない。
そしてこいつは、特に厄介者。



