好きって言えよ、バカ。




「……、」



なんで、目なんか丸くしちゃって。



おまけに顔を赤くして……



恥ずかしいのは私なのに。



思わず腕で顔を隠してるみたいだけど、間から見える耳が真っ赤だもん。



バレバレよ。



「えぇー、僕が一番じゃなかったぁー」



私の答えを聞いて、子どものように頬を膨らませる葵くん。



「ごめんね、葵くん。葵くんのことももちろん好きだけど……そうだけど……」



「いいよ、絃ちゃん。絃ちゃんの一番になりたかったけど、好きって言ってくれたから、それでいいよ。絃ちゃんと蓮兄のこと応援する!」



いつもまっすぐ伝えてくれたから、葵くんの気持ちはわかっているつもりだよ。



だからこそ、申し訳ないって思うけど……



本当は悔しいはずなのに、いつものようにニコッと笑ってそう言うから。



……なんだか泣きそうだよ、私は。