「ううん、お母さん……私ね?」
でも、いつの間にか雅さんと蓮くんと葵くんと一緒に過ごしていく中で、ここが第2の家な気がして、落ち着いて心地よくて……
大好きな場所になっていたんだ。
「私、ここが好きなんだ。雅さんも蓮くんも葵くんもみんな、だいすきなの。だからもう少しここにいたい」
もし、迷惑じゃないなら……
もし、許してくれるなら…………
私はまだ、ここにいたい。
「絃ちゃん……」
「絃ちゃんっ」
「……、」
お母さんの声は聞こえていないと思うけど、話の流れでなんとなく察して、私の言葉を聞いた3人は、口々にそう呟いていた。



