『ハッピーバースデー、絃っ』
『絃ぉー、父さんは絃に会いたいよ。誕生日おめでとう』
『ちょっと、パパ?ごめんね、絃。パパがどうしても絃と話したいって』
相変わらず仲のいいふたり。
そして、私を溺愛しすぎているお父さん。
しばらく会っていないから、なんだか懐かしくなってうるっと涙が浮かんでくる。
「ありがとう、お母さん、お父さん。ふたりともだいすき」
久しぶりの電話だったから、お互いの近況も話したりなんかして、お母さんとお父さんでお休みの日は観光地にデートに行ったなんて話も聞いて……
元気そうでよかったな、なんて思いながら聞いていた。



