『本当におめでとう!プレゼントは必ず明日渡すから!』
「ありがと、瞳。だいすきっ」
いつもならここで瞳に抱きつきたいところだけれど、今は近くにいないから我慢。
その分明日、離れられないくらいギュッと抱きしめてあげよう。
うん、決めた。
『じゃあ、きっとみんな待ってるから。また明日ね、絃!』
「うん、また明日!」
電話を切って、22階へと上がる。
ピンポンと呼び鈴を鳴らすといつも通り葵くんが出てきてくれた。
「おかえり、絃ちゃんっ」
お決まりの"お帰りのギュー"を済ませたところで、いつも通りリビングに向かう。
「みんな、ただい……まっ?」
リビングに入った途端、家中の電気が消えて停電が起きたのかとあたふたする。



