「今日って私の誕生日だったっけ?」
『ほーら、やっぱり忘れてると思った』
そう、私は自分の誕生日を忘れてしまうのだ。
しかも毎年。
お母さんやお父さん、友達に言われないとその事に気づかない。
1度スマホを耳から離して画面を見てみると、確かに日付は10月24日になっていた。
うん、間違いなく私の誕生日。
『本当はね、今日朝学校で一番に伝えてプレゼントを渡したかったんだけど……』
そう言って言葉を濁す瞳。
「どうかしたの?」
『それはね、秘密!なんか私も協力したくなっちゃって……とか言いつつ我慢しきれなくて電話しちゃったけどね?』
ふふふ、と電話越しに笑う瞳。
協力って、瞳は何に協力したんだろう。
この様子だと今聞いても答えてくれなさそうだから、明日にでも聞いてみよっかな。



