好きって言えよ、バカ。




「すごい、キュンキュンした」



「絃ちゃんはああいうのがタイプなの?」



「そ、それとこれは別なの!!」



映画の感想は……最高。



とにかく最高。



一途に思う男の子は素敵すぎるし、想いを伝えるのが不器用な女の子は可愛すぎるし。



ギュッと優しく抱きしめる仕草とか、壁ドンとか、お姫様抱っことか……



ちょっぴり恥ずかしいけど女の子の夢がたくさん詰まってて、とにかく胸きゅんが止まらなかった。



今、胸きゅんが補充できた私は、とても幸せな気持ちに浸ってる。



「へぇ〜じゃあ、こうしてもキュンとしない?」



「へっ……?」



ダンと鈍い音を立てながら、壁につかれた遼くんの手。



遼くんと壁に挟まれる私。



おまけに顎に手を添えられて、上を向かされる。



絡み合う視線に、ドキドキしてそらしたいのにそらさせてくれない。