「ほらほら、大きな声出したら周りに迷惑かけちゃうよ?」 「……っ」 あまりにもありえないことを言うから否定したのに…… その声は以外に大きな声になってしまっていたようで。 ただね? 人差し指を私の唇に当てて、耳元で囁くのはやめて頂きたい。 「あはは、顔真っ赤っ」 「遼くんのばか」 もう、早く照明落として…… そうしたら顔も見えなくなるから。 本当に恥ずかしい。 なんでそんな恥ずかしいこと、サラッとできちゃうんだろう。 私の願いが通じたのか、その後すぐに照明が落ちて、映画が始まった。