ある日は……
「もー移動教室とか面倒くさすぎっ」
「そんなこと言わないの、瞳」
教科書とノート、筆箱を抱いて教室を移動しているそんな時。
今は瞳が隣にいるからって油断してた。
階段を降りようとした時、たまたまなのか、わざとなのか……
今の私には後者としか思えなかったけれど、背中に何かがぶつかって、階段の上でバランスを崩した。
「絃っ、」
そう瞳に呼ばれたけれど、両手が塞がっていた私は咄嗟のことに手すりを掴めず、そのまま体が前のめりになっていく。
……落ちる
そう思ったのに……
私の体は何も痛くない。



