その日、遼くんは、夜道は危ないからとマンションの前まで送ってくれた。
最初はあまり乗り気ではなかったデートだったけど、私も結構楽しんでしまっていて充実していた。
だから、遼くんと分かれて中に入り、玄関のドアを開けた時から私はある意味地獄へと突き落とされる。
「おかえり絃ちゃん!遼兄に変なことされなかった!?」
第一声がこれだ。
何故かまた玄関先にはずらりと3兄弟が並んで囲うように立っていて、1度そのまま扉を閉めようかと思ったくらい。
「随分と楽しかったようだな」
「まぁ、楽しかった……って、なんで知ってるの!?」
まさかストーカーしてたとか?
街中の監視カメラをハッキングしてた?
盗聴器でも仕掛けられてた!?
……いや、さすがにそんな犯罪まがいのことはしないか。
とは思うけれど、この3兄弟なら……しかねない。