「見て、絃ちゃん!虹が見えるよ!」
「ほんとっ!?」
あそこ、と指された方を見ると、太陽の光に照らされて噴水の水しぶきの中に小さな虹が見えた。
虹を見ると、なんだか幸せな気分になれる。
カシャッ
「……へっ!?」
「あまりにも虹を見る絃ちゃんが可愛すぎて、盗撮しちゃった」
舌をペロッと出して、遼くんのスマホ画面を見せてくる。
「あっ、消してっ!」
そんなの恥ずかしい!
確かに噴水をバックに虹を見つめる私は自然な笑顔をしてて……
ってそんなことはどうでもよくて!
「やーだ。あんまり暴れると池に落ちるよ?」
「そ、それはやだ……」
全身びしょ濡れでなんて帰りたくない。
そのうち忘れてくれることを願って、渋々諦めた。



