「もしかして遼なんじゃない?今日の相手」
「えっ……」
追い打ちをかけてきたのは雅さん。
なんで、そこまでバレてるの?
逆にこの3兄弟が怖い!
「あんなにマンションの前で、こっちに向かって手振ってたら気づくよ」
うそ……
遼くんってばそんなこと。
大事にならないようにと、LINEで連絡を取っていた意味が無いじゃない。
「……はぁ」
思わず大きなため息が出た。
……って、こんなことしてる暇はない。
今も遼くんは外で待ってくれている。
「えーっと、行ってきます!」
「……っおい!」
止めようとする声も振り切って、ダッシュでエレベーターに駆け込んで降りてきた。
ロビーまで来て、後ろを振り返ってみても3兄弟が追ってきている様子はなかった。
それを確認してホッとする。



