好きって言えよ、バカ。




「あっ」



ピコンとベッドの上に置かれていたスマホが鳴り、画面を見るとそのメッセージは遼くんから。



開いてみると、マンションの前に着いたという連絡だった。



よし、そろそろ行くか。



もう一度だけ鏡の前で、自分の姿を確認してから部屋を出る。



「あれぇ、絃ちゃん今日お出かけ?」



「わぁっ、あっ……そ、そうなの」



まさか葵くんと廊下で鉢合わせてしまうとは。



リビングには寄らずに、こっそり抜け出そうと思っていたのに。



「絃ちゃん、出かけるの?」



なんてタイミング……というところにリビングから雅さんが登場。



気が合いますね、皆さん。