「遼くん、ありがとう助かったよ」
休み時間に思い当たるところを瞳と一緒に探しに行ったんだけれど、どこにも見当たらず、結局1日中遼くんに借りてしまった。
「いいよ。困ってる絃ちゃんの助けになれて、俺も嬉しいし!」
さらりとそんなことを言ってしまう遼くんは、さすが。
「今度、ちゃんとお礼するね?」
してもらってばかりは、なんだか悪い気がするから。
お菓子や飲み物を買ってあげるとか……なんてお礼を想像しながら言っていただけなのに、遼くんはそうは思っていなかったみたいで。
「何でもしてくれるの?絃ちゃん」
「え、うん……お礼だし?」
素直に聞いてしまった私がバカだった。
こんな性格の遼くんだもん。
もう少し考えたら、想像もできたかもしれないのに。



