こうなれば作戦開始。
生徒玄関で靴を履き替え外へ出る。
校門前は変わらず女子高生でいっぱい。
さっき教室で見ていた時よりも、人が増えているような気がする。
「ねぇ、絃ったらー」
「しーっ!そんな大きい声出したら気づかれちゃうよ」
私の後から追っかけてきた瞳が、大きな声で私を呼ぶ。
キャーキャーと甲高い声が響いているから、そうそうあの中心にいる雅さんには届かないかもしれないけど……
念の為、ね。
なるべく雅さんがいるところからは遠ざかって、人ひとりが通れるくらいの隙間を縫って歩いて……
「……はぁ、やっと出られた」
「もう、本当に大人気なのね、雅さんって」
あんなにイケメンで、中身も紳士的だもん。
人気じゃないはずがないよ。



