「絃ちゃんにキスしたいくらい、ね?」
「っ」
そう言われて、壁についている手とは反対の手の人差し指で、そっと唇をなぞられる。
そんな遼くんの行為に、私の体はピクンと反応した。
……なんか、恥ずかしい。
今すぐここから消えていなくなりたい。
逃げてしまいたい。
「なぁ、遼。お前ここで何してんの?」
救世主かのように現れたのは、蓮くんだった。
まさかの蓮くんの登場に、私はさらに困惑する。
それに……なんだか空気悪くない?
蓮くんと遼くんが睨みつけあっているような。
そんな状況でも、遼くんは私を壁と遼くんの間から離そうとはしない。



