好きって言えよ、バカ。





首を傾げると、葵くんはニコニコしながら私のことを見る。



「今日は僕の髪乾かしてよ!」



そう、いつもなら葵くんが乾かしてくれて、私は乾かされる側。



ただし今日は逆で、私に葵くんの髪を乾かしてほしいとのお願い。



私から頼んでいたことではなかったけれど、やってもらっていたことに変わりはないから嫌なんて言えない。



「うん、いいよ。じゃあドライヤー貸して?」



「ありがと!はいっ」



「……っ」



ただ髪を乾かしてあげることに"いいよ"と答えただけなのにキラキラとした目で見つめられて……



そんな葵くんの可愛さにドキドキしないはずがない。