「あの……私、１週間後にテストがあるの知らなくて……今、大ピンチなんです」
自業自得。
そう言われれば、返す言葉がないけれど……
今私は、とても焦っています。
「ふーん、テストね。通りで最近葵と蓮が部屋にこもってると思った」
「……えっ！？」
もしかして、あの二人、ちゃんと勉強してたの！？
それなら言ってくれれば良かったのに。
「明日」
「明日……？」
ちらっと私の方を見て、すぐ目線を逸らした雅さん。
「明日バイト休みだから、勉強教えてあげるよ」
「み、雅さんが勉強を！？」
「……そんなに意外？」
意外ですよ！
雅さんが私に勉強教えてくれるなんて……
こんなお兄ちゃんが欲しかった。
私、幸せすぎませんか？
きっと今の私の目は、希望に満ちて光り輝いていると思う。
「それじゃ、明日ね」
「……お願いしますっ！」
そんなこんなで、雅さんにテスト勉強を見てもらえることになりました。
