そして間もないうちに、漂ってきた美味しそうな匂い。
何かこんがりと美味しそうに焼けている匂い。
葵くん、何作ってくれてるんだろう。
ワクワクして待っていると、奥からできたという声が聞こえてきた。
「お待たせ、絃ちゃん」
白いお皿に乗せられて運ばれてきたのは、ピザ風トースト。
「すごい、とっても美味しそうっ」
「ミートソースのあまりとチーズがあったから、乗せて焼いてみたんだけど口に合うかな?」
あるものを見てパパっと作ってしまうんだから、すごい。
「いただきます!」
まだ焼きたてで温かいトーストを両手で持って、口に運ぶ。
「んー!美味しいっ」
即席で作ったとは思えないくらい美味しい。



