「忘れてたんだね。先に食べてから宿題しよっか」
「……っ」
うん、ってそう答えようとしたのと同時に、グゥーっとお腹の虫が鳴る。
……は、恥ずかしい。
「お腹すいてたなら早く言ってくれれば良かったのにー。よし、今日は僕が作るね!」
「あ、葵くんが!?」
「うん、今日みたいに僕1人で昼食べることも時々あったし、簡単なものなら作れるよ」
ちょっと待っててね、とキッチンに消えた葵くん。
葵くんが作ってくれるご飯か。
ちょっと……いやかなり楽しみかも。
気になってキッチンの方を覗こうとしてみたんだけれど、葵くんに見つかってまだ見ちゃダメと可愛らしい笑顔で怒られた。
ほっこりして、キュンとするその笑顔で怒られてもドキドキするだけで、全然怖くないけれど。
ただ、約束を破るとまた何かよからぬ事をされかねないから、大人しく食卓テーブルについて待っていることにした。



