「キスしてほしいの?」



「あ、葵くんのバカぁ!」



「冗談だよ。着替えて宿題取ってくるねー」



そう言って葵くんは部屋に行ってしまった。



これじゃ、宿題どころじゃない。



まだ胸がドキドキしてる。



「……はぁ」



1度大きく息を吐いて、また大きく息を吸う。



気持ちを1回リセットしようと、立ち上がって体を伸ばした。



「お待たせっ」



「うん」



そうこうしているうちに、葵くんがラフな服装に着替えて戻ってきた。



「そういえば絃ちゃんお昼食べた?」



「あっ……」



葵くんに言われて気づいたけど、お昼ご飯食べてない。



みんないないし、適当でいいかななんて思ってたら、すっかり忘れてた。