「僕とふたりきりだね?」
ニコニコと笑う葵くんは、とても無邪気で、そんな可愛らしさに私は言い返せない。
何も言えずに俯いていると、
「絃ちゃん、僕も一緒に宿題やってもいい?」
「え?うん、いいよ?」
葵くんが意味深なことを言うから、忘れようと思っても忘れられない、葵くんのサッカーの練習試合の後にされたキスを思い出して、ドキドキしていたのに……
ただ宿題を一緒にしたいというだけで、拍子抜けしてしまった。
「あれ?何か違うこと期待してたの?」
「……そ、そんなことないっ」
ば、バレてる。
わかってていじってくるんだから、本当にタチ悪い。



