好きって言えよ、バカ。





「いや、別に何も無いけど。絃ちゃん困っていたから」



「雅さん……!」



な、なんて雅さんは優しいんだ。



気持ちを汲み取って助けてくれるなんて……



本当に素敵なお兄さんだ。



「って言うのは言い訳で……葵と蓮に嫉妬しただけ」



「……え?」



小さい声でボソッと呟いて、皿洗いを始めた。



今、雅さん。



嫉妬したって言いました?



雅さんが嫉妬!?



クールな雅さんは必死に照れたその顔を隠そうとしているみたいだけど、髪の毛のあいだから見え隠れする耳は真っ赤に染まっている。



そんな雅さんに見とれて、きゅんとしてしまった。



普段クールすぎる雅さんが、こういう一面を見せると心臓に悪い。