「はぁ……」
「どうしたの、絃ちゃん。最近ため息ばっかりだね?幸せ逃げちゃうよ?」
……毎回葵くんにそう言われてる気がするよ。
最近のため息のほとんどは、葵くん含め、あなたたち3兄弟のせいなんだけど。
「じゃあ、僕が笑顔にしてあげるっ」
ソファーに座る私の後ろから、ぎゅっと抱きしめてくる葵くん。
葵くんは、最近さらにボディータッチが多い。
つい数ヶ月前まではこんなこと無かったから……
私の心がついてこられない。
「ふふ、顔真っ赤。すっごいドキドキしてるよ?」
「もー、うるさいっ。離れてよ、葵くん」
「んー?やだっ」
や、やだって……
これが葵くんじゃなかったら、振り切れるのに。
こんなに可愛らしい葵くんにそんなこと……



