学校では、会話を交わさない私たち。
ただ、私が佐伯家3兄弟と同居していることを唯一知っていて、全ての事情を理解している瞳の前では、たまに呟いて行くことがある。
「あ、そうそう。話変わるけど、もうすぐテストだよー絃」
えっ……?
「て、テストぉ!?」
「嘘。絃、話聞いてなかったでしょ?まぁ、絃はそれどころじゃなかったか」
確かに、ここ最近は3兄弟のことで頭がいっぱいで……
って私、3兄弟に振り回されすぎじゃない?
もうすぐ夏休みなんだから。
なんでもっと早く気づかなかったのよ、私!
「……大丈夫?」
「な、なんとかする……」
私の学力は、いいとも悪いとも言えず、至って平凡。
ただし、しっかりと勉強した場合の話。
いつの間にかテストまで1週間に迫っていたなんて……
まだどの教科にも手をつけてないだなんて、致命的。
これは赤点覚悟……?
いや、それだけは嫌!!



