「……泣かせてごめんね」

「っ、」


そんな顔でこっち見ないでよ。
さっきまで苦しかったのに

その一言で苦しさからドキドキに変わってしまう。


この人はわたしの反応を見て楽しんでるだけなのに。


どうしてそんな……
愛おしそうな瞳でこっちを見るの?


もう、わけわかんない。


ねぇ、もし今わたしがここで
好きって言ったら尊くんはどういう反応してくれる?


向こうが試してきたなら…
こっちだって……なんて変な気が回ってくる。


潤んだ瞳のまま顔を上げて、はっきり尊くんの瞳をとらえる。


「……その顔はズルイ」


ズルイって言葉はそっくりそのままお返ししたいくらい。