「なぁんだ。お似合いな2人だから、てっきり付き合ってるのかと思っちゃった!でも、尊くんが女の子と出かけるなんて珍しいのね」


お似合いなんて……。
わたしなんか尊くんと並んでも釣り合わないのに。


さっきから口を開かない尊くんに
助けを求めることもできない。


「わ、わたしが無理やりお願いしたんです……」


バカみたい。なに言ってるんだろう。


「へぇ〜そうなの!この子なかなかわがままな子だから相手するの大変じゃないかな?」


あぁ…会話をするほど、惨めな気持ちになっていく。


「ど、どうですかね……っ」


この場にいるのが耐えられない。
うまく表情が作れているのか、声は震えずにいつも通り会話できているんだろうか。


「ほらー、さっきから黙ってばっかりじゃない!久しぶりの再会なのになんで喋ってくれないの?」