返事のない日記【短編】






 《六月十日 晴れ》



 初めに言っておくが俺は誘拐したわけでも拉致したわけでもない。

 もしもの時のためにここに証言を残しておく。


 朝は雨が降っていて、俺は昼飯を買いに行こうと近くのスーパーに行った。

 その時たまたま鍵を掛け忘れた。


 思い出したのは買い物から帰ってきてからで、やらかしたと思った。

 (正直その時泥棒と鉢合わせになれればと思ったけど)

 そしたらあのガキが平然とリビングに座ってやがった。

 おかえりとかほざいて。

 久々に怒鳴ったせいでもう喉が痛い。

 なのにあのガキは怯えるどころかずっとニヤニヤしてて、今も俺の後ろで何やら絵を描いている。

 もう夜だっつーのに帰る気配はない。

 何がしたいんだ。

 あー死にてぇ。だるい。