読んでいたサッカー雑誌を手放し、ため息をつく。

仕方なく体を起こしてベッドへと腰かけた。



「こんな時間に、一体何の用だよ?」

「ああそうだ、これこれ」



わざと少し突き放すような言い方をしたにも関わらず、彼女はまったく気にする様子もなくジーンズのポケットを探りだす。

そうして取り出したのは、1枚の封筒。



「なにそれ」

「んふふー、開けてごらん」



やけに楽しそうなまどかに訝りつつも、受け取った封筒を開ける。

入っていたのは、数枚の写真だった。



「……なんだよ、これは」



その写真たちに視線を落としたまま、怒りで声が震えてしまったのは、致し方ないことだろう。

手の中にあるそれらに写っていたのは……ベッドでぐっすりと眠っている俺と、なぜか今目の前にいるまどかの姿だったからだ。