そんなこんなで相変わらずスマホを睨みつける俺に、乾は「まあ、」と天井を見ながら口を開いた。



「長谷川が、どんなことで悩んでるのか、俺には見当もつかないけどさ」



そんなことを言うから、顔を向ける。

やけに神妙な顔をして、乾がポンと俺の肩に手を載せた。



「思春期とは、悩み多きものよ。どんどん悩みたまえ」

「そりゃどーも」



一瞬いい事言ってくれんのかと期待させといて、なんだこの発言。まるっきりヒトゴトか。

俺は俺で、そんなセリフをのたまいやがった目の前の友人に心のこもっていない感謝の言葉を述べる。

そしてまた深く、ため息を吐いた。